北海道上川郡美瑛町というところに、世界的に有名な池がある。
2012年7月に発売されたAppleのOS X Mountain Lionの壁紙に採用された「青い池」のことだ。
世界的に有名であるにもかかわらず、「青い池」と呼ばれており何か名前がついているわけではない。
というのも、この池は1988年に噴火した十勝岳の火山泥流災害を防ぐため、美瑛川本流に造られたダムに水が溜まった人工の池なのである。
たまたまダムを造ったら、そこに水が溜まり、もともと生えていた木が立ったまま枯れてしまった。さらにたまたまここの湧き水には微粒子が含まれていて光があたると青く光ってみえるのだ。
青い水水面と白く立ち枯れた木が偶然にもとても幻想的な風景を作り出した、人工だけれども自然な不思議な風景となっている。
富良野から車で40分ほど、険しい山道と舗装されていない道路を経てたどりつくと、森の中に割と広い駐車場がある。
直前まで雷が鳴って、激しい雨が降っていたのだけれど、車を降りる頃には雨はほとんどあがっていた。
雨上がりのちょっと薄暗い雰囲気が、より幻想的な景色を演出している。
ちょっとだけ光が射してくると、立ち枯れた木が水面に写ってなんともいえない景色になる。
Macの壁紙は、初雪が降る10月頃撮影された写真らしいけれど、雪が降るとたどり着けない可能性があるので、夏に行った方が安全ではないかと思う。
池の向こう側には、川が流れていてこちらの水も青い。
つまり「青い川」だ(本当は、美瑛川)。
ちなみに、近くにクレー射撃場があるらしく、乾いた銃声が響きわたっていた。
この美瑛川を上流に3.5kmほど行くと、白ひげの滝がある。
地下水が細い糸のように美瑛川に落ちる変わった滝を、橋の上からみることができる。
遠くに大雪山を望むこれら一連の風景は、ニュージーランドの景色に似ているように感じた。
青い池はテカポ湖、白ひげの滝はミルフォードサウンド、大雪山はマウントクックと考えると、なんとなく共通するものがあるような気がする。
ちなみに、北海道とニュージーランドは緯度がほとんど同じで気候も似ている。
近くには、白金温泉という温泉もあり、のんびりすることもできる。
自然の不思議と北海道の空気を感じられる場所で、ぜひ一度訪れてもらいたい。
青い池
北海道上川郡美瑛町白金(
地図)
美瑛駅から車で約25分
0166-94-3025 (びえい白金温泉観光組合)
入場料・駐車場:無料(乗用車100台)
見学可能時期:雪解けの春~積雪前まで
北海道旅行